何度も目にしていたのに、知らなかった
「地域包括支援センター」——その名前は、以前から何度も目にしていました。
でも、正直なところ、何をしてくれる場所なのか、まったく知りませんでした。
母の介護が始まって初めて、その存在のありがたさを知りました。
地域包括支援センターの方との出会い
母の体調が悪化し、在宅介護を考え始めたとき、市役所の方に紹介されたのが地域包括支援センターでした。
担当の方はとても親身で、制度の説明や申請の流れ、介護保険の使い方まで丁寧に教えてくれました。
「こんなに頼れる人が、すぐ近くにいたんだ」——そう思った瞬間でした。
ケアマネジャーさんの存在
そして、もう一人の大きな存在が「ケアマネジャー」さんでした。
介護保険の申請後、母の状態に合わせてケアプランを立ててくれたのがこの方です。
訪問介護、訪問入浴、介護タクシー——どれも、ケアマネさんが提案してくれなければ、私は知らないままでした。

訪問介護・訪問入浴・介護タクシー・福祉器具レンタル
母は入浴が難しくなってから、訪問入浴サービスを利用しました。
専用の浴槽を持ち込んでくれて、看護師さんとスタッフさんが連携して、母を丁寧に洗ってくれました。
母は「気持ちよかった」と笑ってくれて、私も涙が出そうになりました。
また、通院には私が送迎しておりましたが、母の足が上がらなくなってきた際には介護タクシーを使いました。リクライニング車椅子のまま乗れる車両で、運転手さんも介助に慣れていて安心でした。
訪問介護では、排泄介助や食事の準備など、私一人では難しいことを助けてもらいました。
また、福祉用具レンタルも利用させていただきました。
ベッドや車いす、ポータブルトイレ、トイレの手すり…。
本当に助かりました。


知らなかったことが、こんなにあった
介護が始まるまで、私は「介護保険=施設に入るためのもの」くらいにしか思っていませんでした。
でも実際には、在宅での生活を支えるための制度やサービスが、たくさん用意されていたのです。
ただ、それを「知っているかどうか」で、受けられる支援の量も質も大きく変わります。
聞くこと、頼ることの大切さ
私は、最初は「自分でなんとかしなきゃ」と思っていました。
でも、地域包括支援センターやケアマネジャーさん、訪問介護の方々と出会って、ようやく「頼っていいんだ」と思えるようになりました。
介護は、一人では抱えきれないことがたくさんあります。
だからこそ、「聞くこと」「頼ること」は、弱さではなく、家族を守るための強さだと今は思います。

これから介護と向き合うあなたへ
もし、あなたがこれから介護と向き合う立場になったとき。
どうか、「知ること」から始めてください。
地域包括支援センターは、あなたの地域にも必ずあります。
ケアマネジャーさんは、あなたの味方になってくれます。
訪問介護や入浴、介護タクシー——どれも、あなたと大切な人の生活を支えてくれる存在です。
この記録が、少しでもあなたの不安を和らげ、支えになりますように。

