第5話:知らなかった支援の存在|地域包括支援センターと介護の現場で出会った人たち

介護

何度も目にしていたのに、知らなかった

「地域包括支援センター」——その名前は、以前から何度も目にしていました。

でも、正直なところ、何をしてくれる場所なのか、まったく知りませんでした。

母の介護が始まって初めて、その存在のありがたさを知りました。

地域包括支援センターの方との出会い

母の体調が悪化し、在宅介護を考え始めたとき、市役所の方に紹介されたのが地域包括支援センターでした。

担当の方はとても親身で、制度の説明や申請の流れ、介護保険の使い方まで丁寧に教えてくれました。

「こんなに頼れる人が、すぐ近くにいたんだ」——そう思った瞬間でした。

ケアマネジャーさんの存在

そして、もう一人の大きな存在が「ケアマネジャー」さんでした。

介護保険の申請後、母の状態に合わせてケアプランを立ててくれたのがこの方です。

訪問介護、訪問入浴、介護タクシー——どれも、ケアマネさんが提案してくれなければ、私は知らないままでした。

訪問介護・訪問入浴・介護タクシー・福祉器具レンタル

母は入浴が難しくなってから、訪問入浴サービスを利用しました。

専用の浴槽を持ち込んでくれて、看護師さんとスタッフさんが連携して、母を丁寧に洗ってくれました。

母は「気持ちよかった」と笑ってくれて、私も涙が出そうになりました。

また、通院には私が送迎しておりましたが、母の足が上がらなくなってきた際には介護タクシーを使いました。リクライニング車椅子のまま乗れる車両で、運転手さんも介助に慣れていて安心でした。

訪問介護では、排泄介助や食事の準備など、私一人では難しいことを助けてもらいました。

また、福祉用具レンタルも利用させていただきました。

ベッドや車いす、ポータブルトイレ、トイレの手すり…。

本当に助かりました。  

知らなかったことが、こんなにあった

介護が始まるまで、私は「介護保険=施設に入るためのもの」くらいにしか思っていませんでした。

でも実際には、在宅での生活を支えるための制度やサービスが、たくさん用意されていたのです。

ただ、それを「知っているかどうか」で、受けられる支援の量も質も大きく変わります。

聞くこと、頼ることの大切さ

私は、最初は「自分でなんとかしなきゃ」と思っていました。

でも、地域包括支援センターやケアマネジャーさん、訪問介護の方々と出会って、ようやく「頼っていいんだ」と思えるようになりました。

介護は、一人では抱えきれないことがたくさんあります。

だからこそ、「聞くこと」「頼ること」は、弱さではなく、家族を守るための強さだと今は思います。

これから介護と向き合うあなたへ

もし、あなたがこれから介護と向き合う立場になったとき。

どうか、「知ること」から始めてください。

地域包括支援センターは、あなたの地域にも必ずあります。

ケアマネジャーさんは、あなたの味方になってくれます。

訪問介護や入浴、介護タクシー——どれも、あなたと大切な人の生活を支えてくれる存在です。

この記録が、少しでもあなたの不安を和らげ、支えになりますように。

タイトルとURLをコピーしました